【お客様は神様説崩壊】いったい接客って、どこまで代金に含まれるのか?

2021年8月3日

美容室で働く私が、最近疑問に思うこと。

それは、接客というサービスは、どの程度までが料金に含まれているのだろうか……ということである。

接客業をされている皆さんは、私と同じ疑問を持たれたことが少なからずあるのではないだろうか。

美容室には、年齢や性別がさまざまなお客様がいらっしゃる。
女性はもちろん、最近は美容室に来る男性も多い。
2歳くらいの小さなお子様から、ご年配の方まで、その客層は本当に幅広い。
たくさんのお客様がいるということは、性格もそのお客様によってそれぞれであるということだ。
お話しすることが好きな方もいれば、できるだけ話したくない方もいる。
自分の施術される姿を見ていたい方や、ずっとケータイを見ている方など、いろいろだ。
こちらもお客様の意向を何となくでも、くみ取れるように日々努めている。

でも、たまにいる、「自分は客だからエライ」オーラをまとっている方。
こういう方と接していると、疑問が湧いてくる。

そんなに、お客様は「エライ」のだろうか。

たぶん、その方たちの見解からいくと、お金を払っている側といただいている側ってことで、エライ。
でも私は、そのお金は、技術料と、施術にかかる諸経費と、必要最低限の接客のサービス料だと思っている。

「エライ」オーラのお客様は、返事もろくにしなかったり、語尾に「ですます」すらつけなかったりする。
恥ずかしかったり、人と接するのが苦手なんじゃないの、と思う方もいるかもしれないが、「エライ」オーラの方のそれは、人見知りの人のそれとは、違う。
威圧的な、蔑むような、そんなカンジである。

私たちのような接客業に従事する者は、そんな方にも、媚びへつらうように接しなければならないのだろうか。

なにか、違う気がする。

いい接客とは、相手との信頼関係の上に成り立つものだと、私は思う。
お客様や従業員といったことに関係なく、お互いに相手に敬意を払っているからこそ、生まれてくる自然な行為だ。

威圧感や、時には無視をするような態度を自分が示しているのに、いい接客を受けたいなんて、なんともムシのいい話である。

社会的立場を見る前に、私たちはそれぞれに存在しているひとりの人間なのだ。
立場や年齢を考える前に、個人としての存在に敬意をもって接するべきだ。

自分の受けた接客は、自分が周りに取った態度の評価が返ってきているだけだ。
もし、自分が気持ちのいい接客を受けたければ、自分から相手に敬意を表すことが必要だ。

そうなると、美容室の料金に含まれる接客サービスは、席に案内したり、イスを回して移動しやすくしてあげるくらいかな、とか考えたりする。
合っているか、間違っているかは、別として(笑)。

それ以上の接客サービスは、お客様と自分の信頼のもとに成り立つ、心の通い合いが具現化させている現象である。
ただ、自分がこのお客様にはこうしてあげたいという、気持ちの表れなんだろうと思う。

私は接客業に就いているので、従業員の立場でもあるし、どこかほかのお店にいけばお客の立場にもなることができる。

両方を経験できるからこそ、いつも相手に敬意を払う大切さを忘れてはならない、改めて、そう思った。

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