日本語パートナーズの派遣前研修って、どんなことをやるの?研修内容や滞在の様子は?自由時間はある?

2021年8月10日

書類選考や面接を経て、見事パスすると、次は派遣前研修があります。

派遣前に、日本語パートナーズとしての心構えや、現地でコミュニケーションを取るための語学活動に役立つ知識などを学ぶための研修です。

日本の文化について、説明できるようなことは何もない……と思っている人も、この研修でいろいろ役立つ情報が得られるので、とても有意義な研修だと思います。

派遣前研修とは?

日本語パートナーズは、日本語授業のアシスタントや、日本文化の紹介をします。
また、現地の人たちと同じような生活をすることで、その国の理解を深めます。
そのうえで、現地の語学活動に関する知識を学ぶことが必要となってきます。

私たちのときは、研修は、大阪府泉佐野市で行われました。
国際交流基金の研修センターがあります。
かなり高層で、立派な建物がそびえたっているので、近くに行けばすぐに分かると思います。

研修期間は、約1ヶ月(4週間)で、土曜日は午前中だけ語学研修をして、日曜日は休みです。
なので、土曜の午後や日曜は、近場に観光に行くこともできます。
事情があって帰省したい場合(地元で結婚式とか)は、申請して許可をとれば大丈夫です。
でも、一時帰省の交通費は自腹ですので、遠方の方は大変かと思います。

研修のスケジュールは?

研修のスケジュールですが、月~土曜日の午前中は、派遣国の言語を学ぶ語学研修をみっちりやります。
私たちは、ベトナムと台湾とラオスに派遣される方たちと一緒に研修を受けたのですが、ベトナム語や台湾華語やラオ語は初心者が多いため、基本からの学習だったかと思います。

しかし、フィリピンは英語がメイン言語となります。学校教育で学んできているので、みんなすでに初級はできて当たり前という認識らしく(応募条件も日常英会話ができることでしたし)、私たちの研修は、初めから「英語でプレゼンをすること」でした。
もちろん、プレゼンに馴染みのない日本人ですから、全然うまくできないし、英語もままならないですが、1ヶ月も毎日毎日みんなの前で話していると、だいぶ慣れてきます。やっぱり練習って大事ですね。

ちなみに、語学研修の中で、基本的なタガログ語の学習もしました。
あいさつや日常で役立ちそうなフレーズを暗記するというカンジでした。

そして、午後はだいたい全員合同での研修をしました。
派遣までのいろいろな手続きの説明、パートナーズとしての心構え茶道の体験会文化紹介の発表デモ日本語授業のデモなど、フィリピンに派遣される10数人だけではなく、研修を受けている全員でそれぞれグループを作っての研修もあったので、いろいろな方たちと話せて、とてもよかったです。

みんなが同じ目標に向かっているので、研修で出会った仲間や先生たちと時間を過ごせることは、本当に楽しくて有意義でした!

部屋とか食事はどうしてた?

部屋は、1人部屋なのでゆっくりできます。
ビジネスホテルのシングルルームをイメージしてもらうと、それに近いと思います。
シングルベッドと作業用デスク、小さい冷蔵庫、湯沸かし器があり、ユニットバスです。
よく覚えていないのですが、週に1~2回掃除に入ってくれていたと思います。

洗濯は、洗濯機と乾燥機が4~5台ある部屋が各階に2部屋あるので、自分の空いた時間に使います。

別の階に食堂があり、そこで毎食食べられます(たぶん土日は除く)。
派遣初日に、1人ひとりIDカードが配られ、そこにある程度(基金が定めた食事代)の金額がチャージされていますので、それで支払いができます。
食べ盛りで足りない人は、コンビニとか近くのラーメン屋さんとかで、買ったり食べたりすることができます。
私の場合は、途中でチャージされた分が余ってしまうことに気がついて、食堂の売店でお菓子や水を買って、部屋で食べたり飲んだりしていました。
朝が苦手で、朝ごはんをあまり食べない人は、チャージ分が余ってしまうかもしれません。

食堂のメニューはそれほど少ないワケではないのですが、なんか飽きてしまって、近くのお店にひとりで食べに行ったこともありました。
5月だったので、自転車で走っても気持ちよくて、けっこう楽しんでいました!

自由時間は?

研修が夕方で終わると、そこからは自由時間になりますので、各自好きなように過ごせます。

図書室に行って、たくさんの資料から授業に使えそうなものを見つけたり、司書さんおすすめの本を借りてきて部屋で読んだり。
また、自転車が借りられるので、少し離れたところに買い物に行くこともできます。
普段は車ばかりで、何年も自転車に乗っていなかったので、ちょっと楽しかったです。
あとは、予約制ですが、カラオケルームがあります(笑)。
みんなで親睦を深めるのに、とてもよかったです。

土曜の午後と日曜も、自由に過ごせます。
私は、近くの和歌山や高野山に観光に行きました。ゴロゴロしてる日もありましたけど(笑)。
一緒に研修を受けた方の中には、近くのプールに泳ぎに行っている方や、これも近くにあるスーパー銭湯に行っている方、駅の近くのお店に飲みに行っている方もいました。

研修で口酸っぱく言われること

この研修で何度も言われることがありました。
それは、この活動の滞在費は「公費」でまかなわれているため、ハメを外すような行動はしないように、ということです。

そう、日本語パートナーズは税金を投入されている活動なのです。
パスポートも公用旅券で、赤でもない、青でもない、緑なんです。
そんなものに縁のなかった私は、そんな色のパスポートがあったのか……ってカンジです。

なもんで、国民から後ろ指をさされるようなことはしないように、ということらしいです。
まあ、でも逆の立場なら、そう思いますよね。

この研修が終わると、次に同期のみんなと合うのは、出発の成田空港です。
それまでに、フィリピンに持っていく物の準備などいろいろとあるので、本当にあっという間でした。

フィリピンに着くと、マニラで1週間ほど研修をして、それぞれの任地へ派遣されます。
みんなと離れる寂しさと、これからの楽しみが入り混じった感情になったことを思い出しました。

日本語パートナーズについての記事がほかにもありますので、こちらのカテゴリから読んでみてください。

また、思うこと(コラム)にも日本語パートナーズでの体験に基づくお話を書いていますので、読んでみてください。