アラフォーになって、どうして? 私がイチから美容師を志した理由

2024年2月2日

人生のヒントを見つけることは、自分の生まれ年のコインを見つけるようなものだ。
何も考えず生活していると見過ごしてしまう、けれど、きちんと意識を向けているときっと見つかる。
絶対に存在しているのだから。

私が若い頃に4年ばかりやっていた美容師をまたやろうと思った理由、それと、何歳になっても新しい挑戦を続けている私みたいなアラフォーがいることを、これを読んでいる皆さんに知ってもらえればと思う。

イヤだった会社を辞めて、念願の海外で約1年働き、日本に戻ってきた。
海外でしていた仕事をさらに深く学びたいと思い、2年間、通信制大学で勉強した。
無事に大卒の資格を入れられると安堵していた3月、コロナウイルスの感染拡大が世界中で起こった。

通信制大学で学んでいたのは、日本語教育課程。
日本語が母語でない人たちに、日本語を教える日本語教師という仕事のためだった。
なぜその仕事か、ということになれば、やはり「海外に行きたいから」になる。
勉強していた当時は日本語教師という職業に熱い想いを持っていたが、今にして思えば、なにか海外にすぐ行けるような仕事がしたかったんだろう……。

でも、コロナウイルス感染拡大で、当分は海外に行けないことになってしまった。
かと言って、通信制大学で勉強を終えたばかりの私には、まだまだオンラインで日本語を教えられるだけの経験もスキルもない。
……とそんな言い訳じみたことを何か月も考えているうちに、本当に日本語教師がやりたいのかと自分に問うようになった。

そんなことを考えて過ごしているときに、尊敬するアロマオイルの先生から、こう言われた。

「美容師、合ってると思うよ」

うげっ……と思った。私の中では、この先、一生、美容師に戻ることはないと思っていた。
選択肢にすらなかった。

「いや、無理ですよ……。それに、もうやりたくないですし……」

そのときは、この会話を特に意識していなかった。そして、まだ先の道が見えないモヤモヤの中をさまよっていた。

1~2か月後に、またその先生とお会いした時、先生は前回と同じことを言ってくれた。
「美容師が合ってる」と。
そうか、合ってるのか……じゃあ、ちょっと考えてみようかな、最初はそんな軽い気持ちで、やっと選択肢のひとつに加わったカンジだった。


今考えると、この先生の言葉が、私にとっての人生のヒントだったが、最初は意識していなかったため、まったくピンとこなかった。でも、2回目で気づいた。


いろいろ求人情報を調べていると、私が美容師をしていた当時とは比べものにならないくらい、労働状況が改善されていた。
十数年間、1日8時間労働、休憩1時間、土日祝休みという、鉄壁のディフェンスを組んできた私にもできるかも……。

それから3~4か月経った頃、やっと美容師の求人に応募してみようという気になった。
なんでそう思ったか。
美容師というスキルを持って、海外に行ける日が来るんじゃないかと思ったからだ。
働きながら、スタッフに技術を教える。日本語も教える。
日本語教育を少しでも勉強した私だからこそ、できることがあるんじゃないだろうか。
あとは、昔から言うが「手に職」。手に職があれば、自分の力で生きていけるから。

それから、3~4件の求人に応募したが、不採用だったり、連絡すらなかったり。
年齢のせいか……。こんな年食った新人、誰も使いたがらないってことか……。落ち込んだ。
ある日、Facebookを見ていたら、以前お客さんとしてお世話になっていた美容室が求人募集をしているという投稿があった。
正直、迷った。
お客さんでお店にお世話になるのと、スタッフになるのとでは、やはり違うし、なまじ知っているので迷惑もかけられない。
しかし、その時の私は、この連敗を何とか食い止めたいと思っていたため、一縷の望みをかけて応募した。
オーナーは、私の話を聞いて納得してくれたようで、その場で採用してくれた。

十数年のブランクがあるため、技術をイチから教えて欲しいとお願いしたので、今は接客と技術の勉強に大忙しだが、これが未来の自分につながってくると思うと、やる気がでてくる。
人生80年と考えても、まだ折り返したところ。半分。まだまだ新しいことが学べる。

美容師を再度志したときに、昔からの友人が言ってくれた。
「sakiは、美容師のときがいちばんキラキラしてたよね」
「うちのダンナ(当時は彼氏)は、sakiにやってもらったパーマが、今まででいちばんよかったって言ってたよ」

自分は、美容師時代のイヤな思い出ばかりを気にしていたが、そう思ってくれる人たちがいたんだ。
それを気づかせてくれた、自分の周りの人たちに感謝して、これからはもっとみんなに恩返しできるようにしたいと思った。

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Posted by saki